nippe。ワーキングプア。最近脱オタしたいと考えているが、気付けば休日は日本橋にいる。出会いってどうやったら生まれるんですか?食パンくわえてダッシュしたらいいんですか? 本拠地はこちら→絶望の日々

にっしーです。オタクです。OLです。積みゲーを増やすことが趣味です。鳥目兄妹の妹の方です。

2010年、1年間だけという約束で、東京で仕事をすることになった。

私は関西で生まれ育ち、関西で進学し、関西で就職した。
関西から出ることなんてないと思っていた。

きっと忘れられない一年になるだろうから、日記をつけよう。
これからの新しい生活が楽しみだけど、少し不安だ。



2010年〜11年の日記@東京



3月31日(水)
私は中目黒にいた。下宿先の鍵を受け取りに不動産管理会社に行った。
駅から歩いていく途中、桜がきれいな場所があった。花見客がいっぱいいた。
きっと桜宮の川沿いもこんな風に咲いているんだろうなあ。
初日からホームシックになってどうする。がんばらねば。



4月1日(木)
新しい場所での仕事が始まった。初めてお目にかかる人たちへの挨拶まわり。
初めまして初めまして初めましてって、一生分の初めましてを言った気がする。慣れないことするの辛い。

お昼は同じチームの6人で中華のランチに行った。
いつもなら中華屋さんの半チャンラーメンくらい軽く平らげるのに、今日は緊張して胃がぐるぐるする。
ラーメンのミニサイズを完食するだけでやっとだった。
話していて思ったけど、係長も先輩も優しい。そして若くて可愛い。このメンバーならやっていける気がした。



4月3日(土)
新居での引っ越し作業のため、実家から母親が出てきてくれた。心強い。
場所は浅草、観光地だ。
高い塔が建設中だった。スカイツリーという名前らしい。

それにしても、この新居は本当に酷いものだ。
狭くて暗くて寒くて汚いのに、家賃だけはすごく高い。
駅に近いし、仕方ないか。恐るべし東京価格。



4月4日(日)
引っ越しを終えて、母親が帰っていった。
東京駅の新幹線乗り替え口で後ろ姿を見送る。
淋しい・・・



4月16日(金)
少しずつ新しい環境に慣れてきた。
大阪出身で関西弁ってだけで、面白いことを言う人って印象を持たれている気がする。
キャラ付けっていうの?



4月17日(土)
引っ越し疲れからか風邪を引いた。

でもすぐに治った、ということにした。

病気している場合ではない、遊びにいかねば・・・!
1年間はすぐに終わってしまう。東京で遊ばなければ。



4月20日(火)
どんな仕事をしているかというと・・・ひたすら書類を読み続ける仕事だ。
一日中、細かい字を追っている。
そしてその書類を送ってきた取引先に、これ間違ってますよと連絡する。
その繰り返し。


4月26日(月)
働き始めた頃から思っていたけれど、この職場、電話がよく鳴る。
取引先と「お客様」から。
ひどいクレームの電話もよく受ける。
私に言われても何も変わんないだけどね。申し訳ないね。下っ端で外部の人間なんだ私は。

まあ、対処できる案件へのクレームなら良いけれど。
電話で意見を言われても変えてあげられない事実もあるのです。
その意見は直接×××や○○に言うか、自分で△△的な活動をするか、超お金持ちになっていただかないとどうしようもできないんだあ。
然るべきルートを通さないとね。

ま、内容にもよるんだよ。内容にも。



5月2日(日)
待ちにまったGWがやってきた。
鎌倉へ。
今日は初対面の方々と・・お会いするのです・・・!

美人のお姉さまとイケメン紳士殿とお知り合いになれた!!
GWだからかすーごーく観光客が多かったけれど、
憧れの江の電にも乗れたし、鶴岡八幡宮にも行けたし、しらす丼美味しかったし、
お姉さまかっこよかったし、楽しかった!!!

東京に来て、良かった。

鎌倉の海はキラキラしていた。



5月3日(月)・4日(火)
地元の友人たちが東京に遊びに来てくれた。
美味しいものいっぱい食べて、喋って、食べて、喋って・・・(エンドレス)
久々に気兼ねすることない人たちに会えて心が安らぐ。

来てくれてありがとう。うれしかった。



5月12日(水)
仕事では相変わらず書類を読む日々。
最近は来客対応が多くなってきた。
自分もまだ勉強中なのに、ここはどうすればいいですかって質問される。
・・うん・・・・私がその質問の答えを教えてもらいたいわ・・・

とは言えないので、神妙な面持ちで説明する。
終わった後、速攻で先輩に確認する。
一人立ちまでまだまだやねー



5月22日(土)
ディズニーランドに出かけた。
交通費300円で行けることに感動して、東京に住んでいることを改めて実感した。
関西人からすると、ディズニーランドってすごく「遠い所」で、何カ月も前から予定立てて、休暇を申請して、新幹線とホテルを予約して、気合いを入れていく所で。

今回は「じゃあちょっと週末ディズニー行こっか」で行くことになったのだよ。

なにこのリア充っぽい感じ!
人生におけるリア充時代突入やな・・・



6月14日(月)
梅雨でじめじめだし、祝日ないし、6月ってやつは本当に・・・・

書類を見続ける仕事にそろそろ飽きてきた。

月末に出張で初めて東北地方に上陸することになった。
楽しみだ。

それにしても、世間はサッカーの話題で盛りあがっている。
職場でも遅くまで残業している時、サッカー好きの方はこっそりテレビをつけている。
私は疎いからよくわかんないや・・

流行りに流されてiPhoneブブゼラアプリはDLしましたがw
あと川島△



6月28日(日)
出張で東北へ〜。東北初上陸だー!わーわー!

関西人からすると(以下略)
飛行機を使わなくても東北に行けるってすごい。

サクサクと仕事した。観光する時間はなかったorz
改めてまた来よう。



7月8日(木)
家ではクーラーをつけずにずっと生活している。節約せねば。
扇風機があれば締め切った部屋でも・・窓を開けてもたいして風が通らないこの部屋でも・・・大丈夫・・・・
夜眠れないけど・・・大丈夫・・・・・
汗のせいで発疹がひどくなってきたけど大丈夫・・・・・

と思っていたけれど、職場の友人たちに話すと、熱中症は室内で起こることを昏々と説明されたので、その日から稼働させた。
もうクーラーなしでは生活できない。



7月14日(水)
来客対応が一段落して、電話も少しだけ減って、
もう本当に書類を読むだけの日々になってきた。
これがまたひたすら細かい数字と文字を追っかける仕事で、確実に視力が落ちたに違いない。
そして眠い・・・・・・

そんなある種辛気臭い仕事だけれど、職場の仲間が面白い人たちばかりで、一日一回は爆笑する出来事がある。
誰かが離席中に面白いことがあったら即報告する。
小学生が家に帰ってきて、お母さんに今日あった出来事を話すみたいに。
楽しい。



7月30日(金)
出張。けっこう都内の出張も多いのだ。
色んな会社が色んな面白いことをやってるんだなあと勉強になる。

それにしても外出っていいなあ。空が見えるっていいよね。

毎日12時間くらい部屋にひきこもって文字を追っているだけなので、
気付けば、いつのまにか日が暮れている。

ロマンチストでも何でもないけど、私はけっこう夕焼けの空が好きだった。
昼と夜が共存してるような、赤と青の混色が好きだった。
関西で仕事をしてた頃は、外を歩きまわることも多かったので、空を見て、一日の移り変わりを感じることができた。

ここにいると、夕焼けが見れないんだよね。
都会のビルは清潔で、綺麗で、虫もいないけど、何か物足りない。
まあ夜景を楽しめる点はいいかな。



8月13日(金)14日(土)
とうとう、この日が・・・・・・

コミケ!!!!!初めて来た!!!!!
人多い!すごい!
○○才の時に薄い本と出会い、ようやく初めてコミケに来れた・・・!!
ビックサイトを見た時点でテンションが上がった田舎者状態だった・・・!!

いやーすごいんだよ、コミケって!
コスプレの人がいっぱいいて、コスプレの人が本売ってたり、買ってたりするんだよ何これすごい
斎藤さんのコスの人が斎藤本買ってるんだよ何これ〜〜〜!!

インテはコス禁止だからものすごく新鮮だった・・・

そういえば同じ日に花火大会があるとかで、お台場にリア充的な何かがいっぱいいたけど、もう満ち足りすぎてむしろ自分のほうがリア充すぎて爆発した方がいい気がしてきた。

コミケでのお買い物後、Mねえさんと合流。
お会いしてまだ2回目だというのに、意気投合してずーーっと喋ってた。
こんなに話の合う方と出会うことができてよかったなあ。えへへ

その後Nねえさんとも合流し、女子会!
いつも美味しい店をありがとうございます。皆さんに連れていって頂くお店はいつも美味しいです。



8月16日(月)
出勤とか・・・現実にグッバイしたい・・・



8月27日(金)
まいにちまいにち深夜残業。例の山のように積まれた書類を読んでも読んでも終わらないのに、
締切はどんどん迫ってくるのです・・

ワーホリ大歓喜の職場です・・・
グッバイしたい・・・人生にグッバイしたい・・・・
こんな仕事ばかりの人生、生きてても楽しくない。
って思うこともあるけど、どうせ次の日に美味しいものを食べたら「生きてて幸せ」って言うんだろうね。


* * *

12月14日(火)
すっかり日記を書くことを忘れていた。
夏も秋もあっという間に過ぎ去って寒くなった。仕事も順調で、何となく「わかってきた。」
来客対応や出張も、焦って確認せずとも何とか一人で乗り切れるようになってきてた。

幸せな毎日だった。

繁忙期を過ぎたら、余裕ができて生活は少し楽になった。
定時をすぎた後に、すっかり仲良くなった同僚たちと雑談したり、
晩御飯を食べに出かけるのが楽しかった。都会はたくさんお店もあるし、素晴らしい。
もうすぐ一緒に仕事ができなくなるのは、すごく淋しい。


そういえば、スカイツリーはいつの間にかグングン背が伸びていた。
こっちに来た時よか二倍くらいの高さになったんじゃないかな。
神様が怒ってしまいそうなくらい、高い。



12月20日(月)
忘年会ラッシュが続く続く・・・
飲み会の好きな職場だ。

年末は実家に戻らずに、東京で初売りに行ったり、初詣に行こうと思う。
きっと年越しを東京で迎えることなんてもう二度とないだろう。



1月3日(月)
年明けそうそうインフルエンザに罹患し、寝込む羽目になった。
初売りに出かけて楽しく歩いていたのにどんどん寒気がして、体中が痛くなってきて・・
せっかくのお休みなのに・・・。私のお買いもの・・・・。

年末に買い込んだ食材で毎日せっせとごはんを作った。
東京に来て、もっとも料理をした数日間だった。
普段は帰りも遅いし、外に食べに出かけることが多かったので。
病気の時にこそ家事をするとはねえ・・・

暇なので、ドラマ「ガリレオ」再放送を夢中で見ていた。
いつかこんな風にかっこよくて聡明で変態で白衣のイケメンが自分の人生にも登場しないかなあ。
それっぽい方はいらっしゃるけど、もうご結婚されているし・・・

・・・あ、その方は変態ではないですよ!イケメンですから!!!鳥目じゃないですよ!!


はあ。寝ておこう・・・
仕事溜まっているだろうな・・・。



1月7日(金)
3月末で関西に戻ることが正式に決まった。
引っ越し準備をまた進めなくては。毎年毎年引っ越しをしている。引っ越しのプロと呼んでくれて構わない。



2月15日(火)
最近は早めに退社して、よく買い物に行ったりお散歩したりしている。都会生活もあと少しだもの。
せっかく通り道にあるのでと、アキバにもよく行く。
定期券で途中下車したらアキバがあるって素敵じゃないかい?

ほこてんはまだ見たことないけど、いつか日曜に来てみたいな。混雑してそうだけど。




3月11日(金)
こんなことが起きるなんて。

電車が動かなかったので、歩いて帰った。
歩道は溢れんばかりの人が往来しており、とても歩きづらかった。
道路も車でいっぱいだった。人が道路にはみ出して歩いているせいでさらに車は動き辛そうだった。

すごく寒くて、マラソン大会の日みたいに、耳と顔が冷たくて痛かった。
パンプスで1時間半も歩き続けたせいか、足の感覚がなくなっていた。
公衆電話はどこも数人くらいが列を作って待っている。
タクシー乗り場も長蛇の列。渋滞がすごくて道路は全く流れてない状態なのに・・・。

道沿いにあるコンビニから食べ物が消えている。お菓子でさえも「在庫僅少」状態。

家の近くのローソンでからあげくんを買った。
温かい・・・。こんなに美味しいからあげは初めてだ。

家に帰ってもまだ揺れる。よく揺れる。ニュースを見てると怖くなった。悪夢の映像が度々流れる。逃げ出せる準備をして寝た。



3月14日(月)
停電するらしい。私の家は水道も止まってしまうようだ。お風呂に水を貯めておこう。
スーパーとコンビニは略奪にあってしまったみたいに何もなくなっていた。日持ちするものが特にない。
水がない、カップ麺がない、レトルトカレーもない、お米もない、お菓子もない。棚がスカスカだ。怖い。

懐中電灯とか持ってないよ・・・売ってないし・・・

早く関西へ帰りたい。



3月19日(土)
Mねえさんが私のためにお別れ会を開いてくれた。素敵な洋食のお店。
銀座の街は人通りもまばら。
百貨店がこぞって閉店時間を繰り上げている。ブランドショップはそもそも営業をしていない。
すっかり照明の消えた街は薄暗くて、落ち着いた雰囲気がした。

メトロ駅のホームで交わした握手を私は忘れないだろう。握手した手は、柔らかくて、あたたかった。



3月25日(金)
会社の送別会。胸がいっぱいだ。



3月31日(木)
下宿先の鍵を返して、区役所に転出届を出した。
都知事選の不在者投票も済ませた。もう都民ではないけれど、制度上投票権があるから仕方ない。
時間があればパンダを見たかったけど、公開前だった。
茶色く汚れて使い古したぬいぐるみのようなパンダを見れば、優しくなれる気がした。

新幹線の乗換口。
いつもここから親しい人が遠くに行ってしまう。
今日は誰も見送らなくていい。それはとても幸せなことだ。

東京での生活が終わってしまった。


また住みたいか?と問われたら・・

答えはNOかな。


やっぱり私は生まれ育った関西が好き。

渋谷系」「新宿系」という90年代後半の音楽界の言葉をご存
じだろうか。
詳しくはぐぐってほしいが、このうち「新宿系」を名乗ったの
椎名林檎であった。


椎名林檎の1stアルバム「無罪モラトリアム」。
このアルバムの楽曲は「田舎もんが東京に出てきた」感があり
、実にいい。
御茶ノ水」「丸ノ内」「歌舞伎町」「後楽園」などなど。
東京の地名がどんどん出てきて、僕にとっての「東京」は椎名
林檎の楽曲とともにあった。


初めてきちんと東京を歩いたのが25歳の時。
生まれも育ちも大都会(の下町)の私だが、
まず建物の高さに度肝を抜かれてしまった。


それまで、大自然を体感する機会はかなりあった。
西表島でカメレオンやマングローブを見たこともあるし、
日本アルプスのブナの樹海を歩き回ったこともあった。


しかし…そういった自然体験より、あの建物のデカさの方に僕
は感動した。
自分は田んぼ一つない都会で育った。
高層ビルが立ち並ぶ場所で、狭い空を見て育った。
「都会人」という強固なアイデンティティが自分にはあった。
…はずだった。


でも。あの。東京の。高層ビル。
「勝てない」
一目見てそう思った。


「王将」の世界なら通天閣を見て闘志を燃やさねばならないの
だが。
僕はあっさり白旗を揚げた。


大学の同期も、仲の良かった5人のうち3人が関東勤務だ。
ヒト・モノ・カネ、それがどんどん集まるのが東京。
名古屋のがんばりもあり、大阪はどんどん先細っている。


悲しくはない。
「2番じゃだめなんですか」と言った議員がいた。
そうだな。大阪は、2番でいい。


満員電車も、常識の範囲内の混み具合だし。
日本橋も、アキバに比べるとはるかに歩きやすく買い物しやす
い。
治安が悪いのが気になるが、被害にあったのは30年近く生きて
きて2回だけ。
なんら問題ない。


東京で数日のホテル暮らしを、年に1〜2回する。
オフ会が主な目的。
でも、「ナンバー1体験」できることも嬉しかったりする。
スネ夫?虎の威を借る狐?ああ、その通りだ。


これからも僕は、かりそめの満足感のために、東京に通うだろ
う。