おれはライダーである。頭にへなちょこの5文字がつくが。でもライダーである。ツーリングライダーである。近年、林道を走り回るよりも、池袋の場末を這いずり回る事が圧倒的に多くなったとはいえ、ライダーである。

世の中には、バイクツーリング雑誌というものが存在する。今や季刊になってしまったが、Out Riderなんかがその代表だ。

雑誌をぺらぺらやっていると、主に三つの流派がツーリングライダーには存在する事がわかるだろう。いや、おれが今、勝手に定義したんだが・・・。おれは、当然の事ながら、野宿+焚火+酒を必須とする野宿派に属している。これ以外は認めないね!というワケではないが、ほかの楽しみ方が想像できない。他の流派は何かというと、蕎麦+老舗旅館だ。やっと蕎麦が出てきましたね。もう一つは、珈琲+ペンションという最も不気味な流派で、かつ、ここでは関係ないので省かせていただく。

そうそう、蕎麦ね。何故かツーリングライダーは蕎麦好きな人が多く、かなりの勢力を維持している。新蕎麦の季節になると、せわしなく信州に走りに行く。んで、サケも飲まずに新蕎麦を水でするっと啜り(つゆなんかつけないんだぜ!)、「ううむ、さすが新蕎麦は香りが違う・・・」などと詩的につぶやき、明るく爽やかに暮れなずむ夕日なんぞを眺めやがるのである。そして、大抵はつがいで走りにきてやがりやがって、その後、生殖活動をおっぱじめる確率が極めて高い!! ゔぁかじゃねーのか!? 獣じゃねーのか!?

や、蕎麦好きですよ、おれも。でもな、お前らがエラソーに語る蕎麦は嫌いなんだよ、お前らも嫌いだし。おれの好きな蕎麦は、富士そばもしくは紫陽花のかき揚げそばだ。蕎麦じゃなくて、そばだ。食い方について語ろう。もう想像ついてると思うけど、まずはかき揚げをぐるんとひっくり返して丼の底に沈めるのである。これで、あの高塩分かつ高グルタミン酸のどす黒く煮えたぎる汁をたっぷりと吸わせるのである。むふふふふふ。で、汁表面に「ぽちぽち」と質の悪いトランス脂肪酸たっぷりの脂が浮いてくるので、そいつを啜る。たまんねぇやな。すかさず、脇に控える激甘な稲荷寿司(これは贅沢品なので滅多に頼めないけど)にかぷっと食いつくのである。次に麺をすすって、finishは汁を吸い上げて約3.95倍ほどに膨れ上がったかき揚げをもふもふするのだ。これで合ってるよな、兄弟!?

四十路に突入すれば、新蕎麦の香りがわかるナイスミドル(死語)になれるでしょうか、orz