色とりどりのパラソルでしょ?色とりどりの水着でしょ、
色とりどりの帆、色とりどりの海の家の、色とりどりの男の子、女の子。
ものすごい色で溢れかえっているのね。
うわ、ペットボットルでしょ?片方のビーサンでしょ?フィン、
魚やとんびの骸、って、ああ匂うのよぉこれ。
そんなものに混じってあら?こんなもん、ちょっ、子供もいるのにやばくない?
でも、いやだこれ安物じゃ〜ん〜
あ、あっちにもあった。なんでこんなにあるのよ、海で使うの?
「わー、へんなくらげ!」っておいおい、拾っとけ〜子供たち♪
じゃなくて、拾っちゃダメよ、ボク。
・・・聞こえないかな、

拾うな!



ま、いいわ、ちょっと一人にして。
黒い海の下では命の源が故郷にかえっているわけか。
その下の黒い砂には古の赤子の骸も眠る・・・と、なるほど。
はは、あふれる色とりどりで消化不良よ。
飲み込みきれず、のた打ち回って苦しんでる。
けれどその苦しみ方もやる気が無ぇなぁ。不気味。
あ、エルメスのチョーカーみっけ!ふふ本物。
どうしよこれ。
おまえは・・・太平洋・・・もう一回・・旅して、来いっ・・・・とぉ。
あははは、人にぶつかっちゃった。
あれは相模湾出られないわね。
あ・・・まだ触ってるよ。


ってだから、それ、拾うな!


もっと大きな声で言ったほうがいいの?
でも、まぁいいや。
それにしても昔からそうなの?由比ヶ浜?まじで?
そうそのアクセント、地元っ子を気取って、「ゆ」、ってゆうじゃん?
でも、
その発音するときって、なんかいかにもここから歩いて5分気取りで、
いやらしいって感じ、イヤ。
それでも、・・・



オイそこ、言ったろう、拾うな!




それでもね、由比ヶ浜、オチャメな浜だね。
沖のほうには沢山の、人一人がやっと乗れる帆掛け舟の船団が漂い、
それに、うおんうおんって人に操られた海獣が縦横無尽に走っている。
帆掛け舟はあぶねぇなぁったくよって感じに、それを敵視、当然よね。
海岸沿いのルート134、こっちはぶおんぶおんって音。
ガードレールで良く見えないけれど、騎馬軍団?みたいな?
うるさい馬の鞍には無駄に高い背もたれ付いているし、
お椀みたいな兜?はすっごく派手で、キラキラ金色してるのもあるし、
もうこれは大将でしょ。大将ばっかで迎え撃ってどうする?みたいな。
あっはははははは!
・・・、


ひ ・ ろ ・ う ・ なーーーー


ほ〜んと危ない浜よね。
ほら、現にこうして歩いているだけなのに、こんなに、ものが、飛んで。
犬と円盤投ごっこしている人の円盤でしょ?犬より下手だぞー。
それにブーメランでしょ?ってなんでブーメランなんか使うのよアブナイ。
ブーメランでトンビ追っ払えるわけないじゃないばっかみたい。
で、ゴム製の、なにこれ、トミーフィルひィ?ヒルフィ・・・
なによっ、たかがただのビーサンでしょ?んもう!
それにラーメンでしょ?
そんなのが容赦なく飛んでくるのよ、ったく。
危ないし汚いし熱いったらありゃしない。
なんでそんなものが飛んで

・・・・・・・・



んんんんんっ


だ 
か 




コンドームを拾うな!



大体、子供のしつけがなってないのよ。
誰よ、親、バカ親!
出てらっしゃいよ。
何のために使うのかどうやって使うのか
正しい使い方はどうやるのかくらい教えなさいよちゃんと。

バカ親ーーーー!!!



っていうのが、
私が初めて由比ヶ浜を訪れた際に感じたことなのである。
毎年、実際には隣の材木座海岸を利用するのであるが、
それでも海といえば由比ヶ浜、私の一番身近な、
大好きな響を持つ、海である。
で、やはりアクセントは、「ゆ」、にあるのだ。