いきなり下着の話で恐縮だが、ブラジャーの話である。
いつ何処で救急車で運ばれるかもしれないとか考えなくても、
下着くらいはまともなシャキッとしたものを付けたいと思う私は、
どうしても機能よりもデザインでそれを選ぶ。
そもそもあまり機能が必要ない中身であることは自覚あり。
そうして選んだものだから、どうしても実際使用した際に、
「おいおいっ」ってなモノだって出てくるのは仕方ない。
しかしだ。
それは困るなぁの一品がある。
背後のフックにて止めるそれと違い、前で、ミゾオチ上あたりで止める
いわゆるフロントホックってやつだ。
いや、フロントホックだって普通は外れないよ。
しかし愛用するある一つは、華奢な金色の金具だけでひょいと止める、
止めるというか、ただひっかけるだけのもので、
要するに、「いかに簡単に『誰かが』外せるか」しか考えてねぇだろ?
な一品があるのだ。
これが問題。
外してもらう分には、そもそもの目的であるので問題はナシ。
しかし、
そう、・・・・・外れてしまう・・・のだ。
外れてしまう。
女性ならわかるだろうが、あの瞬間のフワッとした開放感、
確かに楽だが非常に焦る。
バンカーから必死にグリーン目指してクラブを振り上げた瞬間、
ワン!ツー!バンジーー!と落下した瞬間、
さよならさんかくまたきて刺客こわーと別れ際に大きく手を振った瞬間等、
年齢に不釣合いなオーバーアクションで騒いだ瞬間になるなら、まだ解せる。
しかしだ。
前屈みになった瞬間、
落ちたボールペンを拾おうとした瞬間、
へっくしょいとくしゃみをした瞬間等の日常の何気ない動作と共に
それらのピンチは多発しているのだから困る。
これを読んでくれている読者様方の前でもかつて私はそんな経験をした。
腹ン中では「あひゃひゃ〜うひょひょ〜どないしよ?」なのだが
そこはいい加減いい歳こいた女だ。
「アタシ今ブラが外れちゃってうひょひょあひゃひゃなのよ」なんていう顔は
間違ってもしない。
誰も気付かないだろうが、そんなとき私は必ず両手を前に組んで
ニコニコと不自然な笑みを浮かべつつトイレに行っているはずだ。
しかしトイレに行けないような状況だったらどうするか。
ライブのステージ上でそんなことになったら大変である。
だから外れる都度、もうこれを着用するのは止めようと胸に誓うのだ。
誓えども所詮私だ。学習しない。忘れる。
先日のライブでは歌っている真っ最中にその大変に遭遇。
幸いにして既にアンコール曲の最中であったため、
何とか笑顔をキープして歌いきった私の、
その冷静な対応を評価してみてくれないか。

ありがとう。