グリコ…おまけ付きキャラメル菓子、又はそれを発売している制菓子会社の名称。

キャラメル入りの箱の上におまけの入った小箱が付けられた“それ”は、70年代の子供達にとって、まさに宝の箱であった。
(決してお安くない商品で、遠足とか運動会とか、そんな特別な時にだけ買うことが許されたと記憶してる)

正直、箱の中に入っていたおまけは大したことがないモノが大半であったが、それでもなお惹かれ続け、買い続けていたのは、箱を開けるまでのドキドキワクワク感を何度となく味わいたかったからに他ならない。

箱から出てきたモノに対する落胆と有頂天。

共に箱を開けた者と、お互いのおまけを見せ合った時の優越感と劣等感。

自分が欲しかったモノが得られず、あまつさえ他人のおまけの方が良かった時の絶望的な挫折感は、時を経た今も深く心に刻まれている。


そんな悲喜こもごもをグリコからすりこまれ続けた哀れなチルドレン達は、歳を重ねてもなお、同じカイカンを求め、己の財力にモノを言わせ、大人買いなどの暴挙に出て、食玩等を消費し続けている。

グリコめ…

そうだ、グリコだ!
すべてグリコのせいなのだ!

グリコのせいで、俺ぁこんな人間になっちまったんだ!
落伍者の烙印を押されちまったんだ!

本当なら今頃、可愛い子供達と素敵な奥さんに囲まれた幸せな結婚生活を送っていたはずなのだ。

あの時、グリコにさえ出会ってなければ…

くそ、グリコめ。
子供にとって、悪影響この上ないではないか!

けしからん、まったくもってけしからん。

さっそく都に陳述書出して、現実青少年保護法案通してもらわなくては!!

グリコさえなくなれば、この世は住み良い世界が築けるはずだ!